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2025.11.29

金属パネル・塗装パネル・装置筐体などの製造では、
「段差(落とし込み)部分の中に文字を入れたい」
というご要望をいただくことがよくあります。
そのときに活用されるのが 落とし込み印刷 です。
工業用シルク印刷を専門としている長友製作所が、
落とし込み印刷とは何か、通常の印刷との違い、
そして依頼時に知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。
1|落とし込み印刷とは?
落とし込み印刷とは、
パネルにある凹部・段差(落とし込み)の内部に対して印刷を行う技術 です。
通常のシルク印刷は「平らな面」に対して行いますが、
落とし込み印刷では、
といった 高さが異なる部分に対して印刷する ことができます。
工業機器・通信機器・制御盤などで頻繁に使用される方式です。
2|落とし込み印刷が必要になるシーン
落とし込み印刷は、次のようなケースで選ばれます。
板金メーカーや装置メーカーからの依頼では、
あらかじめ落とし込み枠が設けられている図面も多く見られます。
3|通常のシルク印刷との違い
|
項目 |
シルク印刷(通常) |
落とし込み印刷 |
|
印刷面 |
平らな面 |
段差の底・凹部 |
|
版の密着性 |
良好 |
段差により密着しにくい |
|
印刷難易度 |
標準 |
やや高い(版の調整が必要) |
|
耐摩耗性 |
通常 |
段差が保護となり摩耗に強い |
落とし込み印刷は、通常のシルク印刷より 調整の難易度が高い 技術と言えます。
4|なぜ落とし込み印刷は“難しい”と言われるのか?
ここが、誤解されやすいポイントです。
落とし込み印刷は、
インクを凹部に落とし込む方式ではありません。
実際には、凹部に合わせて版を工夫して作り、密着させて印刷する技術 です。
そのため難しさが生まれます。
✔ 理由①:版は平面なので、凹部に自然には密着しない
シルク版はピンと張られた「平面」です。
そのため、深さのある凹部の底にそのままでは接触しません。
✔ 理由②:段差の“壁”で版が浮きやすい
落とし込みの周囲には段差があります。
この段差が版の動きを邪魔し、
といった問題が起きやすくなります。
✔ 理由③:圧力(スキージー)が底まで均一に届きにくい
スキージーの角度・押し加減・硬度などを調整し、
凹部に均等に圧力をかける技術 が必要になります。
5|実際の落とし込み印刷はどう行うのか?
ここが最も誤解されやすいポイントですが、
正しくは次のように行います:
✔ 落とし込み印刷の正しい仕組み
★ 凹部に合わせて版を調整して作る
(テンション・版枠位置・スペーサー調整など)
★ 凹部と版が密着する状態を意図的に作る
★ 密着した状態でスキージーでインクを押し出す
つまり、
✖
✔ 版を“フィットさせて押し出す”方式である
ということです。
(ここが一般の方に最も誤解されるポイントです)
6|落とし込み印刷のメリット
✔ 摩耗・擦れに強い
段差内部に印刷があるため、物理的な接触から保護される。
✔ 表示が枠内に収まり、見た目が整う
操作性・視認性が向上する。
✔ 工業・インフラ用途に最適
通信機器、産業機器、重工業設備でも採用されやすい。
7|依頼時に必要な情報(重要)
落とし込み印刷をスムーズに行うため、以下の情報が必要です:
これらが明確だと、短納期にも対応できます。
8|長友製作所が落とし込み印刷で選ばれる理由
✔ 工業用シルク印刷の専門工場
通信機器・制御盤・計測器など、実績が豊富。
✔ 一点物・試作にも対応
板金加工会社・金属加工会社からの依頼多数。
✔ 樹脂加工・彫刻・印刷を自社で対応
複合工程を一本化できるため納期が安定。
✔ 塗装パネルの印刷も得意
落とし込みのある金属パネルは特に依頼が多い分野。
9|まとめ
落とし込み印刷は、
という特長を持つ工業シルク印刷技術です。
通信機器メーカー、重工業、板金加工会社などから
多くの依頼をいただいている理由は、
正確な版調整と密着印刷の技術力 にあります。
落とし込み印刷でお困りの場合は、
ぜひ長友製作所にご相談ください。
名前:代表取締役 長友慶太