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2026.02.03

ガラエポは本当に「樹脂」?

 

── 加工現場で起きやすい誤解と、その正体

 

 

「ガラエポは樹脂だから、他のプラスチックと同じ感覚で加工できる」

ガラスエポキシ(ガラエポ)について、
こうした認識を持たれているケースは少なくありません。

しかし、加工現場の視点で見ると、
ガラエポは“一般的な樹脂”とはまったく性質が異なる材料 です。

この記事では、
「ガラエポ=樹脂」という誤解がなぜ生まれるのか、
そしてその認識のまま扱うと何が起きやすいのかを、
加工会社の立場から整理します。

 

 

ガラエポは「樹脂」だが、「樹脂だけ」ではない

まず結論から言うと、ガラエポは樹脂です

ただし正確には、ガラス繊維をエポキシ樹脂で固めた「複合材料」です。

この点が、誤解の出発点になります。

一般的な樹脂(POM、PE、PC など)は、
素材そのものが均一な性質を持っています。

 

一方ガラエポは、

  • ・硬いガラス繊維
  • ・樹脂であるエポキシ

この 異なる性質の材料を積層した構造 をしています。

そのため、「樹脂」と聞いて想像する挙動とは、かなり違った反応を示します。

 

 

なぜ「普通の樹脂」と誤解されやすいのか

ガラエポが誤解されやすい理由はいくつかあります。

 

理由①:分類上は“樹脂材料”に入る

材料表やカタログ上では、
ガラエポは樹脂系材料として扱われることが多く、
金属と並べて比較される機会が少ないためです。

 

理由②:寸法が出やすく、見た目も安定している

反りが少なく、
プレート材としての見た目も整っているため、
「加工しやすそう」に見えます。

 

理由③:FR-4など基板用途で馴染みがある

電子基板の材料として知られているため、
「扱い慣れた材料」という印象を持たれがちです。

 

こうした理由から、
一般的な樹脂と同じ延長で考えられることが多い のが実情です。

 

 

樹脂感覚で扱うと、なぜトラブルが起きるのか

加工現場では、
「樹脂だと思って扱った結果、想定外が起きた」というケースが少なくありません。

① 工具の摩耗が想像以上に早い

ガラエポに含まれるガラス繊維は非常に硬く、
樹脂用の条件・工具では摩耗が急激に進みます。

「樹脂なのに、なぜこんなに刃がもたないのか」
と感じる場面の多くは、ガラス繊維による影響 が原因です。

② 欠け・割れが起きやすい

ガラエポは靭性の高い樹脂とは異なり、
局所的な応力に弱い側面 があります。

特に、端部加工・穴あけ・薄肉部では、
「図面通り加工したのに欠ける」という事象が起こりやすくなります。

また、積層なので欠け、割れに加え剥がれる(めくれる)ことがある。

③ 加工音・切粉・粉塵が樹脂とまったく違う

加工時には、

  • ・粉状の切粉
  • ・非常に細かい粉塵

が発生します。

これは樹脂加工というより、
無機材料を削っている感覚に近い 特徴です。

 

 

ガラエポは「金属寄り」か、「樹脂寄り」か?

よく聞かれる質問ですが、
加工の感覚としては次のように表現できます。

  • 材料分類:樹脂
  • 加工感覚:樹脂と金属の中間(ただし樹脂寄りではない)

特に、

  • ・工具寿命
  • ・加工条件
  • ・粉塵対策

といった点では、
一般的な樹脂より、金属加工に近い配慮 が必要になります。

 

 

「ガラエポが得意な会社」が限られる理由

ガラエポ加工に対応できる会社が多くないのは、
材料が特殊だからだけではありません。

  • ・設備への影響が大きい
  • ・工具コストがかかる
  • ・ノウハウが属人化しやすい

こうした理由から、
「対応しない」「断る」加工会社も少なくありません。

結果として、ガラエポは“扱える会社が限られる材料” になっています。

 

 

まとめ|ガラエポは「樹脂」という言葉だけで判断しない

ガラエポは確かに樹脂材料です。
しかしその実態は、

  • ガラス繊維を含む複合材であり、
  • 一般的な樹脂とは加工挙動が異なり
  • 樹脂感覚だけで扱うとトラブルが起きやすい材料です。

ガラエポ加工では、
材料の分類よりも 「中身をどう理解しているか」 が結果を左右します。

加工方法や外注先を検討する際は、
「樹脂だから大丈夫」と一括りにせず、
ガラエポ特有の性質を理解しているかどうかを判断基準にすることが重要です。

 

この記事を書いた人

名前:代表取締役 長友慶太