最短半日で長友が
ご返信いたします!

ブログBLOG

  • 精密樹脂加工
  • コラム

2026.02.09

ガラエポ加工を嫌がる会社が多い理由

 

── 加工現場・設備・経営判断から見た現実

 

「ガラエポ(ガラスエポキシ)の加工をお願いしたいが、対応できる会社がなかなか見つからない」

このような声は、決して珍しくありません。

実際に「ガラエポ加工は対応していません」、「今回はお断りします」
と断られた経験がある調達担当者・技術者も多いのではないでしょうか。

本記事では、なぜガラエポ加工を“嫌がる会社が多いのか”
加工現場・設備・経営判断の視点から整理します。

単に「難しい材料だから」では終わらない、
加工会社側のリアルな事情 を知ることで外注先選定のヒントにもつながるはずです。

 

 

ガラエポ加工は「できない」のではなく「やらない」会社が多い

まず前提として、ガラエポ加工を断る会社の多くは
技術的に“まったく不可能”だから断っているわけではありません。

実際には、

  • ・他の仕事との兼ね合い
  • ・設備への影響
  • ・コストとリスクのバランス

といった理由から、
「あえてやらない」選択をしているケースが非常に多い のが実情です。

 

 

理由① 工具摩耗が激しく、採算が合わない

ガラエポ(ガラスエポキシ)は、ガラス繊維を含む複合材料です。

このガラス繊維が、加工会社にとっては大きな負担になります。

  • ・刃物の摩耗が早い
  • ・樹脂加工用工具では寿命が極端に短い
  • ・工具コストが想定より膨らみやすい

特に、
汎用樹脂加工を主力にしている会社ほど影響が大きく
「割に合わない材料」と判断されやすくなります。

結果として、ガラエポ加工は他の仕事を圧迫するという認識になり
受注を控える判断につながります。

 

 

理由② 粉塵対策が不十分だと、設備トラブルにつながる

ガラエポ加工では、金属のような切りくずではなく、
非常に細かい粉塵 が発生します。

この粉塵は、

  • ・機械内部に入り込みやすい
  • ・ガイド・ボールねじ・スライド部を痛める
  • ・周辺設備の寿命を縮める

といったリスクを持っています。

そのため、

  • ・専用集塵設備が必要
  • ・清掃・メンテナンスの手間が増える

といった “見えにくいコスト” が発生します。

粉塵対策を十分に行えない環境では、
「やらない方が無難」という判断になりやすいのです。

 

 

理由③ 欠け・割れのリスクが高く、クレームにつながりやすい

ガラエポは、寸法安定性が高い一方で、
局所的な応力に弱い側面 があります。

特に、

  • ・端部加工
  • ・穴あけ
  • ・薄肉形状

では、図面通りに加工しても、

  • ・欠け
  • ・チッピング
  • ・微細な割れ

が発生することがあります。

経験の少ない会社では、

「原因が特定しづらい」「説明が難しい」

という状況になりやすく、
結果として クレームリスクの高い材料 と認識されがちです。

 

 

理由④ ノウハウが属人化しやすく、再現性が取りにくい

ガラエポ加工は、

  • ・材料ロット
  • ・積層方向
  • ・工具条件
  • ・切削条件

によって結果が変わりやすく、
経験の差がそのまま品質差になる材料 です。

つまり、

  • ・特定の担当者しか対応できない
  • ・人が変わると品質が安定しない

という状況が起きやすい。

多くの加工会社ではこうした属人性を嫌い、

ガラエポは“扱わない材料”として切り分けているケースがあります。

 

 

理由⑤ 仕事全体の効率を下げてしまう

加工会社は常に、

  • ・段取り
  • ・工程管理
  • ・機械稼働率

を意識しています。

ガラエポ加工は、

  • ・段取り替えが増える
  • ・清掃時間が必要
  • ・他材質との同時加工がしにくい

といった理由から、工場全体の効率を下げやすい仕事 でもあります。

そのため、今ある仕事を止めてまで受ける必要があるか?という判断になり、
断られることが少なくありません。

 

 

それでもガラエポ加工を請ける会社の特徴

一方で、ガラエポ加工を継続的に請けている会社には、いくつか共通点があります。

  • ・ガラエポ特有の粉塵・摩耗を理解している
  • ・設備・工具・条件を織り込んだ運用をしている
  • ・「やりにくさ」を前提に工程を組んでいる
  • ・単発ではなく、継続案件として向き合っている

つまり、
ガラエポを“例外扱い”せず、材料として理解している会社 です。

 

 

調達担当者が知っておくべきポイント

もしガラエポ加工を外注する場合、

  • ・「樹脂加工が得意」という言葉だけで判断しない
  • ・ガラエポ(ガラスエポキシ)の実績有無を確認する
  • ・FR-4など具体的材料名での対応経験を聞く

これだけでも、ミスマッチは大きく減ります。

 

 

まとめ|嫌がられる理由を知ることが、良い外注先選定につながる

ガラエポ加工を嫌がる会社が多いのは、

  • ・材料として扱いづらいから
  • ・設備や採算に影響が出やすいから
  • ・経験がないとリスクが高いから

といった、加工会社側の現実的な判断 によるものです。

これは裏を返せば、ガラエポ加工を継続的に行っている会社は
それだけの経験と体制を持っている、
ということでもあります。

ガラエポ(ガラスエポキシ)加工を検討する際は、
「できるかどうか」だけでなく、
なぜ対応しているのか”まで見える会社 を選ぶことが重要です。

 

この記事を書いた人

名前:代表取締役 長友慶太