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工場設備や制御盤、通信機器、計測器などの機器には、
「読みやすく」「長期間安定して使える」表示が求められます。

その表示を支えている代表的な技術のひとつが、
工業用シルク印刷（スクリーン印刷） です。

 

本記事では、
工業用シルク印刷の“基礎を体系的にまとめた入門記事” として解説します。

 

 

 

1｜工業用シルク印刷とは？（スクリーン印刷の基本）

工業用シルク印刷は、メッシュ状の版を使い、
インクを直接、素材の表面に均一な塗膜として転写する技術 です。

 

ポイントは次の4つです：

• ・版（スクリーン）の「抜け」部分にインクが通る
• ・スキージーで均一に押し出して形をつくる
• ・乾燥・硬化により塗膜が形成される
• ・印刷というより「薄膜塗装」に近い仕組み

 

工業分野では、金属パネル・樹脂パネル・装置筐体など
部品そのものに直接印刷する のが特徴です。

 

 

 

2｜工業用シルク印刷が選ばれる理由

シルク印刷＝“絶対に消えない” という表現は誤りです。
（彫刻のように削り込むわけではありません）

 

ただし、工業用途で求められる表示としては、
非常に安定した耐久性を持つ方式 であることは事実です。

 

✔ 正確なポイントは以下：

• ・印刷方式の中では耐久性が高い
• ・金属・塗装面との密着性が良い
• ・摩耗・軽度の擦れに強く、長期間読みやすさが維持されやすい
• ・溶剤や油が使われる現場でも選ばれやすい

 

つまりシルク印刷は、
「工業用途で使用される印刷方式として十分な耐久性を持つ」
というのが正しい理解です。

 

 

 

3｜シルク印刷が対応できる素材

工業用シルク印刷で頻繁に扱う素材は次の通りです。

• ●金属パネル
• ・アルミ（生地／塗装）
• ・鉄・鋼板（塗装）
• ・ステンレス

※通信機器・制御盤・測定器の外装パネルでよく使用。

• ●樹脂プレート

• ・アクリル
• ・塩ビ
• ・PE(ポリエチレン)
• ・PC（ポリカーボネート）
• ・PP（ポリプロピレン）

※表示板・銘板用途で多い領域です。

• ●塗装品（工業用）

• ・粉体塗装（ポリウレタン系・ポリエステル系）
• ・焼付メラミン塗装
• ・ウレタン塗装
• ・フタルサン塗装

※当社では塗装仕様に合わせたインク選定を実施しています。

 

 

 

4｜工業用シルク印刷が使われる代表的な用途

以下は長友製作所で特に依頼が多い表示です：

• ●操作パネル

• ・スイッチ名
• ・ON/OFF 表示
• ・注意表示
• ・ポート名

※人が頻繁に触れるため、視認性と塗膜強度が重要。

• ●金属パネル・筐体の表示

• ・型番・ロゴ
• ・ランプ表示枠
• ・機能名

※装置の「顔」になる部分で使用される。

• ●銘板・表示板

• ・型番
• ・電気定格
• ・注意情報

※工業用プレートでは定番の方式。

• ●計測器まわり

• ・目盛り
• ・数字
• ・状態表示

※特に視認性が求められる領域。

 

 

 

5｜工業用シルク印刷が“工業向けとして十分な耐久性を持つ理由”

工業用途においてシルク印刷が評価される理由は、
工業用インクの塗膜が強い という点です。

 

✔ シルク印刷が工業に向く理由

• ・インク膜が厚い（インクジェットの数倍）
• ・塗装品との密着性が良い
• ・表示に必要なコントラストが出やすい
• ・現場での摩耗に比較的強い

摩耗・溶剤・手汗・湿度など、工場や現場での使用環境に対し、
印刷方式として十分な耐久性と実績があります。

 

 

 

6｜依頼時に必要な情報

スムーズな印刷には以下が必要です：

• ・印刷する内容（文字・記号・ロゴ）
• ・文字サイズ
• ・印刷位置の寸法
• ・素材（樹脂か金属か、塗装の有無）
• ・印刷色（白／黒／特色など）

 

 

 

7｜長友製作所が選ばれる理由

✔ 工業用シルク印刷に特化

金属パネル・樹脂プレートの印刷を多数実施。

✔ 一点物・小ロットも得意

装置メーカー・板金メーカーからの依頼多数。

✔ 樹脂加工 × 彫刻 × シルク印刷を自社で対応

表示部品の前工程から後工程まで一貫管理が可能。

✔ 板金・塗装の協力先とのネットワーク

1933年からの長い実績により、複数工程を一本化できる。

 

 

 

8｜まとめ

工業用シルク印刷は、

• ・工業用途に求められる十分な耐久性
• ・多様な素材への密着性
• ・高い視認性
• ・小ロット・一点物対応の柔軟性

といった特長を持つ、工業製品に欠かせない表示技術です。

 

表示の設計や加工方法で迷われている場合は、
ぜひ長友製作所へご相談ください。